株式会社ふぃっしゅいんてりあ|オフィスリノベーション
コロナ禍による業態転換
東村山市で50年続く企業、株式会社ふぃっしゅいんてりあ。相羽建設が設計施工したリニューアル工事が2022年3月に完工しました。
もともと活魚の配送や卸販売、店舗への水槽設置など、飲食店に向けた業態で成長を続けてきた企業でしたが、2020年のコロナ禍によって、飲食店は軒並み休業、受注が大幅に減ってしまいました。「緊急事態宣言の時は90%売上げがダウンしました。“会社に来ても仕事がない”そんな状態です。ただ、その状況にふさぎ込んでいてもしょうがない、このままコロナ禍が続いたとしても社業が継続できる道を模索しはじめました」と当時を振り返る林社長。飲食店向けの活魚の卸売だけではなく水産加工品の販売にも注力、加工場も増設しました。販路拡大のために2020年12月には、個人のお客様向けの販売サイトを立ち上げるなどスピーディーかつ精力的に業態転換・拡大をしていきました。
リノベーションで働く環境も整える
リノベーションについては、「建物がかなり老朽化していたので、10年くらい前から綺麗にしたいとは思っていたのですが、こういう劇的な転換期だからこそ働く環境もきちんと整えようとリスクを恐れず設備投資を行いました」と林社長。事業再構築補助金も活用し、水槽スペースの整備と事務所棟のリノベーション、売店のリニューアルを行いました。今回は改装の要望や、前後で変わったこと、これからの展望などを林社長、スタッフの金さんにお聞きしました。
「社員の働きやすさが第一」
「リノベーションで一番大切にしたことは社員の働きやすさ。要望ややりとりはスタッフを信頼して任せました。そしたら社長室がすごく小さくなっていて(笑)」と林社長。スタッフの金さんも「ランチタイムにスタッフ同士で改装工事についての要望を話し合いました。業態転換から始まってリノベーションまで、社内全体がポジティブに取り組んでいました」と笑顔で語ってくださいました。
改装準備は工事の3ヶ月前から少しずつ進め、ラスト1ヶ月に力を入れて行われました。特に断捨離が大変だったそう。水槽スペースの2階に全て荷物を搬入し、約3ヶ月の工事期間中、スペースを移動しながら通常業務を行いました。
「準備は大変でしたが改装後は毎日“気持ちいい”と感じますね。老朽化が進んでいたので、“こんなに変わるの!”とびっくりしました」と金さん。訪れるお客様や業者の方もその劇的な変化にびっくりされ、会話も弾むそうです。
1F 水槽
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1F オフィス
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売店・レストランで新鮮な魚を提供
事務所棟2階には試食や販売サイトの商品撮影のためのテストキッチンを導入。今後は、魚の選び方や捌き方、美味しい食べ方なども撮影してSNSを通じて発信していきたいとのことです。販売サイトの導入とともに、魅力を伝えるアンテナショップとしての売店もリニューアル。「今回一番変えたいと思ったのは売店でした。中の様子が見えず、入りづらい雰囲気だったので。これを機にもっと地元の方に美味しいお魚を楽しんでもらいたいです」と金さん。売店だけでなく直営レストラン「浜めし海鮮ふぃっしゅ」でも、水槽で泳いでいる活魚をはじめ、新鮮な魚料理を低価格で提供しています。
2F テストキッチン・会議室
1F 売店
2F 飲食店「浜めし海鮮ふぃっしゅ」
今後はSNS発信や海外輸出も強化
「魚を通じてたくさんの笑顔を作りたいというのが一番。今は国内の飲食店だけでなく海外への物流経路も強化しています」と展望を語ってくださった林社長。業態転換・拡大とともに職場の環境を一新することで社員のモチベーションを高く保ち、さらなる成長を遂げていく--。 同じ東村山の企業としてふぃっしゅいんてりあの今後の飛躍がたのしみです。
取材撮影:相羽建設|伊藤 夕歩・吉川 碧・中村 桃子・猪股 恵利子
設計・施工会社 | 相羽建設株式会社 |
竣 工 | 2022年5月 |
建築面積 | 174.7m²/52.85坪 |
延床面積 | 302.9m²/91.63坪 |
建物概要 | 店舗・オフィス 改修工事 |