相羽建設本社事務所リノベーション
「くらしごとスタジオ」
1F
コミュニケーション
スタッフや来社した方とのコミュニケーションが円滑になる「交流」スペース。キッチンや卓球台としての役割を持つテーブルでは⽉1回社⾷堂を開催。不定期開催でスタッフ持込企画が開催されることもあります。
2F
ワークスペース
それぞれが「集中」「共有」しながら仕事ができるように2つのワークスペースを構成。開かれた雰囲気の大きなテーブル席、部屋の⾓でありながら南向きでたっぷりと⾃然光の⼊る席、照明をデスク上や⼿元に絞って落ち着いで集中できる席など、その⽇の仕事内容や気分に合わせて働く場を選ぶことができます。実際はそれぞれ“お気に⼊りの席”はあるものの、隣で働く⼈が限定されないため、スタッフ間のコミュニケーションが潤滑になっています。
3F
ミーティング・スタジオ
3つの「間」が設けられ、個性的な空間が広がっています。撮影や動画配信をするスタジオとして使用しつつ、会議室や打ち合わせの場としても活用されています。
Before
【プロセス紹介】
「住む×働く」を体感!職人の手仕事を伝える工務店のオフィス
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「集中・共有・交流」を空間の核に
東村山市を拠点に多摩地域で木造住宅や木造施設、家具や生活道具をつくる工務店「相羽建設」の拠点をリノベーション。もともとは大手ハウスメーカーが建築した建物を中古で購入し使用していたものの、自然素材を全く用いていない空間で、モデルハウスなどの拠点とのギャップを指摘されたり、図面や資料が雑然とした残念な状況でした。創業50周年を機にスタッフ皆で一念発起し、自分たちの働き方を見直して誇りをもてる空間をつくろうと決意。暮らしや建築を自ら体感・体験し、伝えていくために「集中・共有・交流」を空間づくりの核に定め、計画を進めていきました。
働き⽅が多様化する時代に、⼯務店だからこそできる提案をしたいーー。
そのためにも、まずは相羽建設のスタッフである私たち自身が「働き方」と「働く空間」を見直すことから考えました。部署を超えた円滑なコミュニケーション、集中して仕事ができること、整理整頓された書類……など、会社としての生産性向上はもちろん、今まで以上にスタッフが気持ち良く自由に働ける場所にしたい。そんな様々な想いを取り入れ、自分たちの働き方を整理することで働く空間を考えました。
2
ABWとフリーアドレス・多様に場を活用
多様化する働き方に合わせて採用したのが「ABW(Activity Based Working)」とフリーアドレスというスタイル。デスクは個人用に固定せず、スタッフの働き方にあわせて多様に場を活用できるように設計。「交流」スペースとなる1階のキッチンや卓球台テーブルではお客様を迎えて打ち合わせをしたり食事や料理を楽しんだり、2階のワークスペースはそれぞれが多様に仕事ができるよう「集中」スペースや「共有」スペースを設けています。空間の機能を整理して使い方を限定しすぎずに余白を持たせることで、働く人次第でさまざまな使い方ができます。
また、空間の居心地の良さを生み出すための重要な要素として照明計画があります。全体を必要以上に明るくするのではなく、照明をデスク上や手元に絞ることで落ち着いてグッと集中できる席を設けたり、空間に陰影を生み出すことで、木の家のような居心地の良い仕事場となっています。
3
職人の手仕事を伝える、ものづくりの発信拠点
生まれ変わった社屋は、家づくりをする大工や左官をはじめ、多くの職人の手仕事により美しい空間となりました。さらに日常的に「使えるアート」として、彫刻家が手がけた鉄製の建具を採用したり、建築と一体となる家具「窓ベンチ」からは造園家による庭や植栽を眺められ、スタッフの食事や休憩時間の癒しの場所になっています。
そして新たな試みとして、エントランスにギャラリーを設けて、1年に3回ほどの企画展を催しています。記念すべき第一回は「職人の道具店」として、工務店と深い関わりのある職人が長年愛用してきた道具を展示。いいものをつくっていれば知ってもらえるという考え方ではなく、「つくることと同じくらい伝えることに取り組む」、そんな職人や工務店のものづくりの発信拠点をこのオフィスで目指していきます。
「くらしごとスタジオ」を見学・体感しませんか?
2021年7月に竣工した相羽建設の本社リノベーション。完成した事務所空間を家具デザイナーの小泉誠さんが解説!2020年春、改修前の事務所の様子を見た小泉さんに「これはひどい!」と唖然とされた空間が、「集中・交流・共有」の3つの空間づくりで生まれ変わり、ワクワクする工務店の拠点となりました。家づくりの職人の手仕事や自然素材を活かした空間、ぜひご覧ください。